「プロジェクトつなぐ」第3回企業研究会を開催しました

平成29年11月8日(水)、地域構想研究所では、地域創生にご関心のある企業にお集まりいただき、「企業と地方自治体による地域創生の可能性についての共創研究-新しい暮らし方・働き方を求めてー」(通称「プロジェクトつなぐ」)の第3回の企業研究会を開催しました。

研究所の研究事業の一つである「プロジェクトつなぐ」では、企業と当研究所が連携している地方自治体が、企業と地方自治体の連携協働による地域創生の可能性等について研究する場を設けるとともに、個別企業と個別地方自治体の連携協働による地域創生の取組の社会実装を目指しています。


今回の研究会では長野県箕輪町と北海道石狩市の担当者にいらしていただき、両市の現状や課題、地域創生のお取組等についてお話いただきました。
まず、長野県箕輪町の取り組みとして、役場企画振興課みのわの魅力発信室長兼政策調整担当課長の今井政文氏からは、二つのアルプスに囲まれ町の中央を天竜川が南流する豊かな自然に恵まれた箕輪町の全景をはじめとして、花もも、青い朝顔(ヘブンリーブルー)、赤そば、もみじ湖の紅葉など四季折々の美しい風景や美人・美肌の湯と評判の温泉施設にも恵まれている一方で、町の中心には大型商業施設があり、東京から車で3時間という「ほどほどの田舎」信州箕輪のご紹介がありました。箕輪町の人口動向について、①主要産業が製造業であり、景気動向に左右されがちであること、②女性が男性より少ない町であること、③製造業が多く仕事の多様性が少ないことなどから特に近年女性の転出が大きい等が特徴となっている。また、箕輪町の産業は、電子産業が約7割を占め、製造品等出荷額は県内の町で2番目、企業数は県内14番目に位置する県内でも有数の工業都市であるとの説明がありました。町では人口減少を想定して初めて策定した第5次振興計画(H28~37)では、二つのチャレンジ目標、①人口減少時代に即した暮らしへの転換、②将来の暮らしやすさを守る人口規模の維持を掲げているとのご紹介がありました。このような背景を踏まえ、地方創生に向けた町の取り組みとして、①「ほどほどの田舎暮らし」移住定住促進事業(移住定住アドバイザーの設置、若者住宅取得や空き家改修等住宅支援制度、最大6泊7日で無料の田舎暮らし体験住宅の運営等)、②箕輪町・豊島区交流推進事業(大正大学学生による移住者目線を意識した箕輪町調査研究事業等)、③女性活躍推進事業(女性活躍井戸端会議の開催、プロモーションコンテンツ「OPEN」、子育て情報発信アプリ等)、④箕輪町まち・ひと・しごと拠点施設整備事業(特に女性や若者の起業・創業を支援するためのインキュベーション施設整備等)などを進めていることについてご紹介いただきました。こうした取り組みの御紹介とともに箕輪町は住みたい田舎ランキング全国総合17位、シニア世代部門7位に選ばれているとのご紹介をいただきました。

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《箕輪町役場 企画振興課みのわの魅力発信室長 兼政策調整担当課長 今井政文氏》

石狩市企画経済部企画課課長本間孝之氏から、今年の8月1ヶ月間、大正大学を含め市内外の7大学から12名の大学生が参加し、就業体験やイベント「いしかりンピック」の開催等を行った「地域商店街魅力化モデルプロジェクト」の取り組み、石狩湾新港を中心に札幌のベットタウンとして発展し、平成17年に厚田村、浜益村と合併して新「石狩市」が誕生したという石狩市の歴史、合併した厚田村、浜益村で過疎化が進んでおり、地域の活性化が課題となっていることなどについてお話がありました。

その後、同企画課の主査池内直人氏より、石狩市は札幌から車で30分、1日55便と首都圏からのアクセスも良く、恵まれたロケーションにあること、石狩湾新港地域には北海道最大の工業団地があり、2万人が働いていること、石狩湾新港は釜山と航路で結ばれ、札幌の港といってもよく、近年はエネルギー供給拠点にもなっていることなどが紹介されました。「家族が安心して暮らせる石狩」を目指して、特に仕事と子育ての両立支援に力を注いでいること、全国初の手話基本条例を制定し、市職員全員が手話講習を受けるなど独自の取り組みを行っていること等、石狩市の取り組みについて言及がありました。北海道一の海水浴場や朝市、鮭を始めとする豊かな海産物や農産物、いしかりまるごとフェスタや石狩三大秋祭りなどのイベントなど、石狩市の豊かな地域資源についてご紹介がありました。地域住民のまちづくりの拠点として、また海産物、農産物など地域の食を振るまえる場として、厚田区に道の駅石狩「あいろーど厚田」を来春オープンする予定であり、新たな商品開発なども進め交流人口を増やそうとしているとのお話がありました。地方創生の取り組みとして、海水浴場へのwi-fi設置、漢方生薬生産体制の確立支援、「さっぽろ圏」若者定着促進広域連携事業、道の駅を核とした地域資源活用推進事業などを進めている旨のご紹介がありました。石狩市が抱える課題としては、人口減少・少子高齢化の進展、過疎地域である厚田区、浜益区における農業漁業などの後継者・新規就業者の確保・育成、生産基盤が脆弱化している地域産業の競争力強化、地域の商店街の活性化、地域ブランドの確立・定着などが挙げられました。最後に、魅力あるまちづくりを進めるにあたり、点在している浜益区の豊かな地域資源(黄金山、イチイの木、千本ナラ、増毛山道など)を線として繋げるためのアイディアを様々な立場からを寄せてほしいとの問題提起がありました

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《石狩市企画経済部企画課課長 本間孝之氏、 同企画課主査 池内直人氏》

市に対して地域の産物や取組についての詳細なご質問があり、それに対してご回答をいただきました。また企業から様々なアイディアや新たな視点が提示されました。その後、参加者同士の意見交換や情報交換も活発に行われ、盛況のうちに研究会を終えることができました。

2017.11.30