「プロジェクトつなぐ」第4回企業研究会を開催しました

平成30年3月1日(木)、地域構想研究所では、地域創生にご関心のある企業にお集まりいただき、「企業と地方自治体による地域創生の可能性についての共創研究-新しい暮らし方・働き方を求めてー」(通称「プロジェクトつなぐ」)の第4回の企業研究会を開催しました。

研究所の研究事業の一つである「プロジェクトつなぐ」では、企業と当研究所が連携している地方自治体が、企業と地方自治体の連携協働による地域創生の可能性等について研究する場を設けるとともに、個別企業と個別地方自治体の連携協働による地域創生の取組の社会実装を目指しています。

今回の研究会では、まず山形県庄内町情報発信課企画調整係主査兼企画調整係長の樋渡真樹氏から庄内町の立川庁舎の利活用についてお話をしていただきました。


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《山形県庄内町情報発信課企画調整係 主査兼企画調整係長 樋渡真樹氏》

平成17年に余目町と立川町の2町が合併して庄内町となったこと、立川地域は霊峰月山や名水など豊かな自然に恵まれており、最上川舟運で栄えた歴史を持っており、観光施策の重要地域であるが、平野部の余目地域に比べ、人口減少と高齢化が顕著であること、地域住民が道の駅や工房等の運営を担うなど、住民主体の活動は広がりつつあるが、その成果は未だ限定的で今後の展望が見出せていない状況であることなど背景について説明がありました。

そうした中、立川庁舎を利活用し、多くの公的施設が半径200メートル圏内に集積している周辺エリアを新たにデザインすることが検討課題になっており、現在3つの検討原案を実現可能か検討しているとの説明がありました。更地にしてスポーツエリアやイベント広場等として有効活用する案1、教育特区に手を挙げ、子育て支援住宅や認定こども園等を整備し、若者がここに住んで子育てしたいと思える教育力の高い地域に目指していく案2、医療機関やお試しオフィスを整備し、住んでいる方々が安心でき、地域経済が回るまちづくりをする案3という各案の内容とねらいについて紹介がありました。

最後に、町民ワークショップも開催し、町民の希望を聴く予定であるが、是非企業の視点からの全般的やアドバイスや具体的なアイディアを寄せてほしいとの話がありました。

次に地域構想研究所の塚崎裕子から、本プロジェクトの一環として昨年末実施した「企業支援による地方移住に関する調査」の結果概要について報告をしました。本調査は、三大都市(東京、大阪、愛知)に住み、企業で働く30~50代を対象として実施し、約1000人から回答をいただいたこと、何の前提も付けず地方移住の意向について尋ねたところ、6%が「地方移住に関心があり、既に具体的に検討している」と回答したのに対し、現在勤務している企業から、地方移住に係る支援(①その企業に勤め続けながら地方で生活するための支援、②地方企業への転職支援、③地方での起業支援)を得られると仮定した場合、44%が「地方移住をしたい」又は「検討したい」と回答し、「地方移住したいと思わない」という割合(42%)を上回ったこと、特に地方移住の意向が強かったのは若い世代で、30代の約半数が勤め続けながら地方で生活するための支援があれば、「地方移住をしたい」又は「検討したい」と答えたこと、その際に受けたい支援としては、「希望する地方転勤の承諾」、「リモートワーク制度の確立・充実」、「ICT 環境の整備」等が挙げられたこと等について、説明がありました。

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《静岡県静岡市役所 企画局次長 前田誠彦氏》

次に、静岡市企画局次長の前田誠彦氏より、静岡市では1990年代から人口が減り続けており、高齢化と少子化が深刻化していること、背景には首都圏との物理的、心理的距離の近さ、大学、大企業が少ないこと等から首都圏に流出しているとの説明がありました。そこで、今までやってきたことの延長線上にはない新しい取組事例として、有楽町への移住支援センター設置、テレワークの実証実験について紹介がありました。また、交通利便性、短い通勤時間、商業、医療施設の現況や教育力、防災面での取組など、移住の際に疑問を感じる点に対する静岡市の状況について紹介がありました。今年度行ったテレワーク実証実験では、通勤時間削減、集中時間増加、生産性向上、移住への関心の高まり等の結果が見られたため、来年度は新たに「お試しテレワーク」をしていただける企業に対し、宿泊面や交通費の支援を予算化したので、関心を持たれたらご一報いただきたいとの話がありました。
最後に地域構想研究所の金子順一より、参加いただいた企業や自治体に対する御礼が述べられるとともに、次年度以降は、これまでの取組に加え、特に新しい人の流れの創出を中心に研究プロジェクトを進めていきたいとの今後の方向性についての話がありました。
庄内町、静岡市、研究所からの話の後、ご参加いただいた企業から両自治体に対して地域の課題や取組についての詳細なご質問があり、それに対してご回答をいただきました。また企業から様々なアイディアや新たな視点が提示されました。その後、参加者同士の意見交換や情報交換も活発に行われ、盛況のうちに研究会を終えることができました。

2018.03.15