「プロジェクトつなぐ」第2回企業研究会を開催しました

平成29年8月1日(火)、地域構想研究所では、地域創生にご関心のある企業にお集まりいただき、「企業と地方自治体による地域創生の可能性についての共創研究-新しい暮らし方・働き方を求めてー」(通称「プロジェクトつなぐ」)の第2回の企業研究会を開催しました。

研究所の研究事業の一つである「プロジェクトつなぐ」では、企業と当研究所が連携している地方自治体が、企業と地方自治体の連携協働による地域創生の可能性等について研究する場を設けるとともに、個別企業と個別地方自治体の連携協働による地域創生の取組の社会実装を目指しています。

今回の研究会では岩手県八幡平市と山形県新庄市の担当者にいらしていただき、両市の現状や課題、地域創生のお取組等についてお話いただきました。
八幡平市企画財政課地域戦略係長の関貴之氏からは、安代りんどうといった地域ブランドを活かした農業が展開され、美しい星空など他では味わえない感動を与える観光地・名所が豊富であることから生み出された、「農(みのり)と輝(ひかり)の大地」というキャッチフレーズをもつ八幡平市についてご紹介がありました。また、①人口減少が急激に進展し、今後も続く見通しであり、2020 年には老年人口も減少に転じることが見込まれていること、②高齢化のため担い手が不足し、作業効率が難しい品目は農家の廃業とともに伐採されてしまい、せっかくの財産を活かしていけなくなる中、農作業の効率化、生産コストの低減、新規就農者支援、海外での生産等に力を入れていること、③エンジニアなど慢性的な人材不足を解消するため、地元高校への就職斡旋、U・I ターンの推進、中小企業の採用や人材育成に対する支援が行われていること、④少子化による複式学級、学校統合や唯一の高等学校の定員割れなどの状況の下、小規模校をむしろ特色として打ち出したり、山村留学を行ったりすることを考えていること、⑤人口減少により豊かな文化や郷土芸能を持つ集落が存続の危機に瀕していることなど、八幡平市が抱える様々な課題や解決を図るための取り組みなどについて語っていただきました。 最後に、観光客等として訪れた人がリピーターとなり、八幡平市に移住して最期まで住み続けるしくみとしての「八幡平市版生涯活躍のまち」についてご紹介がありました。この取り組みのねらいは、新しい住民に対する新しいサービスの提供によって雇用機会を増やしたり、移住者にインバウンド受け入れの担い手として、或いは地元の学校や企業に再就職して活躍してもらったりすることなどであること、さらに、この取り組みを継続していくためには、空き別荘や保養所でのリモートワークの促進、企業合宿、子どもの山村留学、サマーキャンプなど現役世代に対するアプローチを組み合わせていくことが必要であることなどのお話がありました。

講演中の八幡平市企画財政課地域戦略係長の関貴之氏

講演中の八幡平市企画財政課地域戦略係長の関貴之氏


次に、新庄市総合政策課企画政策室長の鈴木則勝氏が、まずは新庄市などの地方自治体の課題や事情を知っていただき、何が一緒にできるか勉強していきたい、ここで生まれたアイディアがプロジェクト参加自治体で実践され、全国に展開されることで地方創生が進展すればいいと期待を述べられました。

その後、参事の福田幸宏氏より、新庄市は最上地域の中心にあり、生活の基盤となる商業施設が多く所在していることに加え、製造業、建設業等の大きな会社、金融機関、医療機関等がコンパクトに所在しており、交通の要衝で利便性が高いこともあって、周りの市町村から人が集まってくることや毎年新庄まつりなどのイベントが多く開催されるなど、賑わいのある住みよいまちであるとのご紹介がありました。新庄市の課題としては、①少子高齢化が進み、かつ進学等を機に新庄市から出て行く若者が多く、今後さらに人口減少が予測されること、②昨年 ユネスコ 無形文化遺産に登録された新庄まつりの山車(やたい)行事について、人口減少の影響を受け、山車の作り手や引き手が少なくなっており、伝統をいかに守っていくかが課題となっていること、③雪が多い地域であり、除排雪体制は整備されているものの、市民アンケートにおいて、他の市町村に転居希望又は転居予定と回答した73名にその理由を尋ねたところ、「雪が多いから」という回答が最多の 52%となっていることなどが挙げられました。また、最上地域における看護師確保の観点や、高等教育機関が少なく若者が流出している現状を打開するため、看護師養成機関の設置に向けた検討を行なっていることや、観光等の拠点にもなる道の駅の設置に向けた検討も行なっているとのご紹介がありました。最後に、新庄市で期待される事業として、①雪国暮らし体験など雪を活用したイベント・観光誘客、②克雪用品の開発・販売、③まちの賑わいづくりのための空き家の活用、④環境や福祉にやさしい事業、⑤高齢者が活躍できる仕組みづくり、⑥若者が活躍でき、若者にとって魅力的な場所づくり等を挙げ、参加した企業の方々に対して、これらに関連するアイディアや事業として取り組んでいただけるものがあればご提案をいただきたい旨のお話がありました。

講演中の新庄市総合政策課企画政策室長の鈴木則勝氏

講演中の新庄市総合政策課企画政策室長の鈴木則勝氏


八幡平市、新庄市からお話をしていただいた後、ご参加いただいた企業から両市に対して地域の産物や取組についての詳細なご質問があり、それに対して両市からご回答をいただきました。また企業から様々なアイディアや新たな視点が提示されました。その後、参加者同士の意見交換や情報交換も活発に行われ、盛況のうちに研究会を終えることができました。


2017.08.01